岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
―その拠点は岐阜。  脳卒中リハビリテーションを、“机上の空論”や“小手先のHowto”だけでなく、「機能解剖から臨床応用へ」と繋ぐべく、活動していきます。
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●第9回定期勉強会のお知らせ●※終了いたしました
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第9回定期勉強会のお知らせ● ※終了いたしました


【テーマ】
高次脳機能と運動療法

【日時】
H23年8月30日(火)  
18:30~20:30(予定)

【内容】
重症脳卒中患者様を目の前にし、一体自分は何に難渋しているのかを、ふと考えます。

そんな時気付かされることは重症麻痺の程度のみならず、高頻度に併発している高次脳機能障害の存在です。

しかし表面だけを観察し、やれ「注意障害」だ、などと決まり決まった、
いわゆる“定義”や“概念”を目の前の患者様に当てはめても、それだけでは根本的治療には結び付きません。

果たして、今自分の目の前で起こっている摩訶不思議な症状、
つまり高次脳機能障害はどんな脳の仕組みで起こっているのか。

今回は前頭前野から頭頂連合野、高次視覚野さらには海馬まで、
高次脳機能障害のそのメカニズムと、運動療法介入について学びます。


【プレゼンテーター】
坪井 祥一 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料

【申し込みについて】
興味のある方であれば、どなたでも参加可能です。
参加ご希望の方は必要事項を記入の上、下記までメールください。

※必要事項:
・件名を「第9回定期勉強会参加希望」としてください。
・氏名
・業種
・所属
・連絡可能なメールアドレス
・連絡可能な電話番号
・今回テーマに関する質問、意見(勉強会中に使用致しますので、ご記入お願い致します)
 以上を明記してください。


gifu_nousocchuu_reha_kenkyuukai@yahoo.co.jp


不明な点がございましたら、管理人までメッセージ下さい。


皆様のご参加、心よりお待ちしておりますm(._.)m

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解説●第8回定期勉強会●
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第8回定期勉強会のお知らせ● ※終了しました


【テーマ】
理学療法士がみる言語機能

【日時】
H23年7月28日(木)  
18:30~20:30(予定)

【内容】
 私たちPT、OTは運動療法を実施する際、必ずといっていいほど「コトバ」を用います。

 しかし脳卒中患者、ことに優位側大脳半球に損傷を受けた患者はなんらかの言語機能障害を有していると言われ、私たちが運動療法場面で指示している言葉掛けは、本当の意味で理解されていないように思われます。

 PT・OTが、患者に最も適した言語的教示ができないために、患者は求められている運動を表出することができていないのだとしたら、私たちは自分たちのスキルのなさを棚に上げ、「運動麻痺の重い患者」とレッテルを貼ってしまっているのかもしれません。

 一方で、言語的教示を脳機能から考察し、「あえて、こんな言い方(指示の仕方)をする」と患者の動作理解が即時的に向上することがあり、やはり運動療法を実施する際にも言語機能の理解は必須なようです。

 今回は、言語機能に関する「下前頭回後方領域」および「上側頭回前方領域」を中心に、PTがみる言語機能を脳機能的側面から考えます。


【プレゼンテーター】
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【解説】
まず始めに、言語を司る左半球の解剖学的概説から説明して頂けました。
単語の基本的保存領域として、名詞は下側頭回領域、動詞はBA6,44、助詞はBA47である
といった基本的な事項を踏まえた上で、
音を言語へと変換するルートとして、
これらを繋ぐ上縦束あるいは弓状束が、更に重要であるということを強調し、
解説して頂きました。

また、その上縦束は被殻の上外側付近を前後に通過している解剖学的背景から、
特に左被殻出血の場合には、上外側への血腫の拡がりには注意する必要がある
ということを教えて頂きました。

さらに、前方言語十字路(MRIハの字レベルにおける側脳室前角のやや前外側付近)と
後方言語十字路(MRI基底核レベルにおける側脳室後角のやや後外側付近)
という概念を紹介して頂き、
ブローカ野やウェルニッケ野をはじめ、上縦束あるいは弓状束などといった
言語に関する神経線維がこの二つの言語十字路に密集していることから
これら二つの言語十字路の重要性も解説されました。


以上の解剖学的構造を押さえた上で、
特にミラーニューロンに着目した運動療法介入を教えて頂きました。
近年数々の報告がなされているというミラーニューロンですが、
今回は4つのポイントに絞って解説して頂きました。

1.音:
視聴覚ミラーニューロン(BA44,上側頭溝後方)を有効利用し、
歩行動作や体の動きに対応するであろう音を聞かせることで、
運動を想起しやすくさせる可能性があると考えられます。
2.表情:
言語教示に合わせたセラピストの(喜怒哀楽も含めた)表情や目線にて
患者様は求められている動作様式を想起しやすくなる可能性があります。
特に表情認知に関する上側頭溝後方領域や紡錘状回、島、扁桃体は
多くの脳血管障害の場合、残存している可能性があります。
3.動き
まさにミラーニューロンの真髄とも考えられますが、
動作を模倣させ、その動作様式を想起し患者様自身も運動を体現しやすくなる
可能性があります。
4.環境
シュミレーション・セオリー(心の心理、模倣の共感)の理論を応用し、
患者様とその運動の背景まで共感、共鳴することが可能となれば、
運動療法の効果はより一層高まることが予想されます。

ただし、このような方法を駆使したとしても、
重度の理解障害と重度の運動麻痺を併発している状況下においては、
上記の表情・言語教示・ジェスチャーは大胆に行なうべきであるし、
またCPGシステムなどの外的リズム形成や感覚入力を用いるなどの、
externalな介入がより必要であることも強調されました。

このように、
失語症や高次脳機能障害などで、言語介入による理解障害があったとしても、
言語機能の基盤の理解や、ミラーニューロンシステムを用いるといった
様々な方法論を具体的に駆使し、患者様に運動を理解・誘導・遂行させる必要が
あることが考えられました。


【文責 坪井祥一】
言語獲得と理解の脳内メカニズム
言語獲得と理解の脳内メカニズム 乾 敏郎先生 2010
http://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/60/1/59/_pdf/-char/ja/
の論文等を読み、感じたことをまとめていきます。

一個人の意見ですので、実際の内容とは異なる可能性がございます。
詳細は原著をご覧ください。



私たちPT、OTは運動療法を実施する際、必ずといっていいほど「コトバ」を用います。

 しかし脳卒中患者、ことに優位側大脳半球に損傷を受けた患者はなんらかの言語機能障害を有していると言われ、私たちが運動療法場面で指示している言葉掛けは、本当の意味で理解されていないように思われます。

 PT・OTが、患者に最も適した言語的教示ができないために、患者は求められている運動を表出することができていないのだとしたら、私たちは自分たちのスキルのなさを棚に上げ、「運動麻痺の重い患者」とレッテルを貼ってしまっているのかもしれません。

 
 そもそも、私たちが「聞いて理解し運動に変換する」といった一連の言語理解・表出過程は
どうなっているのか、まとめてみました。




Ⅰ.単語記憶の座
単語が記憶されている場所はそれぞれ違うと言われています。
動詞(動きに関連する単語)はBA6,44、
名詞(物の名前)は下側頭回領域、
助詞はBA47が担っていると考えられています。
それぞれの領域は、これらの単語を適切な音韻に変換する機能が備わっていると言われております。


Ⅱ.言語獲得
言語獲得に重要な課程として視覚情報と聴覚(言語)情報の統合にあると言われております。
言葉の未発達な幼児(聞き手)は、まず動作を見ることによって、その動作や役割を理解し、
それらの情報をBA6,44に一旦貯蔵します。
その「視覚的状況」が母親(話し手)によって言語的に表現され、
幼児(聞き手)に対して、次々と一次聴覚野から上・中側頭回を経て、
BA45,47へ時系列的に単語が入力されます。
これらはその後、先ほどの視覚情報が貯蔵されていたBA6,44にて統合されます。
このようにしてBA6,44にて母親(話し手)から次々聴覚入力される単語を、
視覚情報から得られた役割に正しく写像できるように学習が進んでいく仕組みとなっている訳です。
これらの学習が進むにつれ(言語の発達とも言える)、言語の格関係が正しく理解され、
BA6,44において各単語のθ役割(統語的意味役割)が付与されると考えられています。


Ⅲ.頭の中の言語
「赤い長方形は緑の長方形の左にある」
といった関係推論において、我々は脳内で空間的イメージを生成し、
かつ操作することができます。
つまり、たとえ目で見えていなくても、聞いたり、文を読んだりするだけで、
その関係性を脳内で言語的にイメージかつ操作できるのです。
これらは後部頭頂皮質や視覚野と運動前野(BA6)の活動において
生成・操作されていると言われています。
言語は実際に話さなくても、脳の中で働いているということを裏づけています。


Ⅳ.視聴覚ミラーニューロン
ミラーニューロンは自分自身の行為と照合することで、
他者の行為を理解していると言われ、行為の照合システムと考えられています。
言い換えれば、ミラーニューロンは他者の行為を、
自己の運動制御システムによって理解しているとも言えます。
このミラーニューロンには、
「視聴覚ミラーニューロン」たるものが存在すると言われています。
視聴覚ミラーニューロンとは音を聴く、あるいは動作を見る、
両者で応答するミラーニューロンであります。
臨床応用できる可能性が示唆されています。


Ⅴ.WHOシステム
ミラーニューロンシステムは自己と他者を区別しないため、
動作主(誰がやっているのか)は別のシステムで特定される必要があると考えられています。
これを規定しているのが後部頭頂葉に存在しているという、
WHOのシステムであります。
確かにBA5,7には自己身体定位や身体図式を司る領域もあり、
WHOシステムの座であることも、頷けます。


Ⅵ.言語のワーキングメモリ
Ⅲ.にて、後部頭頂葉領域と運動前野の活動にて内的空間イメージの
生成・操作ができることは先に述べました。
一方、BA40は音韻のワーキングメモリ課題、および手の運動のイメージ化の
際にも活動すると言われております。
つまりBaddeleyの言うワーキングメモリの音韻ループは
一次聴覚野→ウェルニッケ野→BA40→BA44の
領域にて行なわれていると考えられます。


Ⅶ.言語と運動療法
以上のように運動療法を行なう際にも、言語的教示の方法は
丁寧に行なわれる必要があるように思います。

まとめると、
○BA44,6には動作に関する単語が記憶され、
 同時に視覚と言語聴覚情報の統合もしているため、
 この領域の損傷にて「動作」そのものに関する言語的介入が
 困難になる可能性があります。
○また、運動前野と後部頭頂皮質との脳内システムにて
 空間的イメージの生成・操作をしているため、
 言語を用いて空間的関係を把握することが困難になる可能性があります。
○そして音韻のワーキングメモリとして(一次聴覚野→ウェルニッケ野→BA40→BA44
 のループ)音韻情報をある一定期間保存あるいは運動へ変換する機能を担うシステムがあり、
 このシステムの破綻によって、教示された言語情報を適切な期間覚えていられず、
 結果的に運動への変換を阻害する恐れがあります。


よって、以下の方法論が有効であると考えています。

 直接的な言語聴覚情報が使えないのであれば、他感覚を用い、
言語聴覚情報とは別の感覚情報-運動変換を用いる必要があります。
 すなわち視覚情報(BA17→BA7→BA6)を用い見真似させる、
あるいは動作音(視聴覚ミラーニューロン)を用い聞き真似させる、
体性感覚情報(BA3,1,2→BA5→BA6)を豊富に用いるといった基本的方法です。 
 当然のように言語聴覚情報とは別の経路を通って運動変換されるため、
運動遂行が可能となる可能性があります。
 
 また言語情報を用いるなら、メタファー(陰喩)を用いたり
エピソード記憶を想起させるような手法(海馬→BA44など)を用いることで、
より具体的な運動コントロールを想起させることができると考えられます。
 Baddeleyの言うワーキングメモリのモデルでは音韻ループのほかに
視覚・空間的スケッチパッドとエピソードバッファがあり、
言葉以外の別経路からもワーキングメモリを活性化させる狙いであることが分かります。
 
 さらにワーキングメモリを賦活させ学習効果を高める上では、
トップダウンの注意(BA9)を活性化させることが重要です。




言語的教示を運動療法に生かした方法論は、
我々が言語メカニズムや脳機能システムを理解し得ない状況では
難しく感じます。

しかし、運動療法場面において、
人間であるセラピストが、人に何かを伝える際の「言語」抜きには語れない以上、
言語的教示の手法が運動に与える影響を、
丁寧に行なってしかるべき、と感じました。

ひいてはそれが、
“この患者様には、どうしたら伝わるんだろう”
“どのように接し、関わっていったらよいのだろう”
という、セラピストとしての情熱・マインドに関わるのではいか、
と感じます。

医療職である我々は患者様に対する
いわゆる“声掛け”が、
大切であると教えられています。

言語的メカニズムを熟知し、真の意味で「患者様に“伝わる”声掛けをする」

それは、言語の脳内メカニズムを理解することと同義である、
とまで言うと、これは過大解釈でしょうか。

科学を根拠とするセラピスト(医療職)として、
患者様に真摯に向き合っていく、
その姿勢を忘れずに、治療に専念していきたいと考えています。






すべては患者様のために
坪井 祥一
Ⅱ脳の機能と脳損傷者の学習の可能性
【その2】

・まとめのお話。

○脳卒中の臨床像は損傷の大きさではなく、
その損傷の場所と、残存部位から、
脳のシステムの問題として捉えていくことが重要である。
○外部環境からの情報(体性感覚、視覚、聴覚など)は頭頂連合野にて
統合され、上縦束を通って、前頭連合野へ伝達される。
○前頭連合野は「中央実行機関」とも呼ばれ、
運動を遂行する際の、実行判断を行なっている。
○脳卒中の場合、ほとんどが前頭連合野へ伝わる前の段階、
つまり、頭頂連合野にて情報の統合障害、あるいは間違いが
起こっている。
○前頭連合野は間違って統合された異常情報をも、
正確な運動へと変換しようと、(ある意味)努力し、
結果としてエラー情報による、エラー運動を起こしてしまっている。
(pusher syndromeのような状態)
○つまり、脳卒中に対するアプローチとして重要な視点として、
頭頂連合野における情報を整理、簡略化してやることで、
前頭連合野が落ち着いて問題に対処できるようになり、
運動遂行を実行しやすくしてやることである。

○もうひとつ、重要な視点として「小脳」がある。
○脳卒中患者は内包の前脚や視床内側核、大脳脚内側部などの
損傷を伴い、CCASを生じている可能性があり、
認知・情動障害への配慮・環境設定が必要である。
○しかし多くの脳卒中患者は、上述した部位が損傷から免れていることもあり、
テント下に存在する脊髄小脳路・前庭小脳路が生きている可能性がある。
○脊髄小脳路は非識別性深部感覚を受け取り、体幹・四肢近位筋の伸筋コントロールを
行なっている。また前庭小脳路は眼球・頚部運動と協調したバランスコントロールを担っている。
○両者ともに意識された随意運動とは違い、無意識的かつオートマチックに
反応するシステムである。
○つまり、随意運動が障害された、脳卒中患者においても、テント下の小脳が残存していることで、
無意識的かつオートマチックな立位制御は可能であると考えられる。
○すなわち、重症脳卒中患者に対しても、オートマチックな立位制御を可能とさせるような
アプローチ戦略を用いることで、
たとえ、随意運動はできなくとも、歩行を可能とさせる可能性が見出せるのである。




10時間に渡り、吉尾雅春先生には「脳」について語っていただきました。


僕たちは先生から、たくさんの知識を頂きました。


しかし、それ以上にセラピストとして最も重要な熱い熱い“マインド”を


授けてくださったように思います。


決して忘れてはならない、セラピストとしての「核」となる部分です。





最後に先生は、


こうおっしゃっておられました。



「どう歩くかが重要ではない、
 
 どう生きるかが重要だ(吉尾 雅春 先生)」






すべては患者様のために
坪井 祥一
脳の機能解剖と脳損傷患者の学習の可能性
2011/07/09,10
●岐阜県徒手療法研究会主催●

【脳の機能解剖と脳損傷患者の学習の可能性】
(吉尾 雅春 先生 千里リハビリテーション病院 副院長 理学療法士)


岐阜県羽島市にて2日間にわたり開催された上記研修会に参加して参りました。

いまや、脳卒中理学療法を語る上で欠かすことのできない「キーマン」である、

『吉尾 雅春』先生。



全10時間に渡り、熱く熱く、時にユーモアを交え、語っていただきました。

話を聞き終え、まず感じることは、今日までの自分の力のなさや怠惰、

一方で、明日からの希望と情熱を強く感じています。




患者様の明日からの糧となるよう、心に残ったことを、書き綴っていこうと思います。

・まずは脳の基本的なお話。
 先生は「脳卒中に関わるセラピストであれば、これぐらいは知らないと話にならない。」
 とまで、おっしゃっておられました。

 ○46野:注意の転換、物事の切り替え・順番、目の前の課題に集中する働きがある
 ○11・12野:感情・情動のコントロール、人格を形成しているところ
 ○7野:姿勢低位をつくる、体性感覚と視覚の統合を行なう
 また、外環境への注意、いわゆる“周囲の空気をよむ”
 ○頭頂間溝が拡大していると頭頂葉が萎縮しているといえる
 ○39野:各回、どちらかといえば曲線に強い
 ○37野:直線に強い
 ○小脳:運動だけでなく、大脳全体の協調性に関わる
 ○ワーキングメモリ:ワーキングメモリは言語を用いて形成することもあるので、
 10野と45・44野は隣接している
 ○中脳上丘:サッケード、視覚性注意を担う
 ○画像で見る際には中小脳脚の下のスライスレベルにて小脳片葉を見ることができる
 ○被殻:前方はarea9・10と、後方はarea4・6、area3・1・2、area5・7と
 後方になるにつれ、関連領域も変化する


・上記を踏まえた、脳のシステムの問題のお話
 「脳卒中を考える場合、損傷部位の大きさだけ見るのではない、
 脳全体のシステム(連絡線維)あるいは脳のバランス、そしていわゆる“脳”力
 をみなければならない」とおっしゃっておられました。

 ○システムを考える上でキーワードとなるものが、
 「前頭連合野・頭頂連合野・小脳・視床・基底核」である
 ○これらは4つのループ、すなわち「筋骨格運動ループ、眼球運動ループ、
 前頭前野ループ、辺縁系ループ」を構成する
 ○ポイントになる重要なシステムとしてテント下に存在しうる「脊髄小脳回路(赤核脊髄路)・
 前庭小脳回路(網様体脊髄路・前庭脊髄路)といった経路がある
 ○視床は前核であれば帯状回・辺縁系と、内側核であれば前頭前野と、背側核であれば、area5・7と、
 VPLであればarea3・1・2と、VLであればarea4・6と、視床枕であればarea19・40・39と
 線維連絡をしている
 ○尾状核も前底部付近は眼窩部と、前部付近は10野と、前上部は9・8野とおおむね
 線維連絡をし、また被殻の前方も尾状核と同様の役割をしている
 ○上縦束はハの字のレベル、尾状核の高さで、被殻のやや上外側を前後の方向に走行している
 ○視神経は直接的な損傷を免れても、圧迫を受けていることがある
 その際、周囲の視神経の束から圧迫され、中心が残存するため、
 視野も中心視野が残存することがある
 ○MRI等にて基底核が見えるスライスレベルでは、視床の腹側核が見えている、
 また基底核がしっかりと見えないその上方スライスレベルでは、視床の背側核が見えている
 ○area4・6からは小脳に向けて運動前発射が随意運動に先行して情報を伝達している
 これはフィードフォワードの神経回路を構成している
 ○フィードフォワードの神経回路は前頭橋路を形成し内包の前脚を通る(遠心路)
 ○同時に前頭連合野から小脳にむかう認知ループの線維も内包の前脚を通る(遠心路)
 ○逆に求心路は運動ループ(フィードフォワード)は視床VLを、認知ループは視床内側核を
 経由してそれぞれ運動野、前頭連合野へシナプスする
 ○被殻出血、視床出血症例においてもこの大脳小脳連関、
 すなわち運動ループや認知ループが障害されている可能性が高い
 ○認知ループはCCAS(小脳性認知情動症候群)という症状にあらわれ、
 前頭連合野を強調的にうまくコントロールできない
 ○運動ループは一見運動麻痺があるために、企図振戦は見られないことが多いが、
 麻痺の回復とともに見られる場合もある。
 あるいは、肩関節挙上する際に腱板の作用により、骨頭が関節面に押し付け運動開始するように
 運動前発射がでいきなくなることにより、直前の筋緊張を瞬間的に高めることができなくなるため、
 腱板がタイミングよく働かず三角筋優位の挙上となってしまう
 ○随意性が高いからといって装具を外したり、安易に歩かせていると、
 マルアライメント(内反足、OA)を形成・助長してしまう可能性がある
 しかるべきタイミングで、膝関節などは変形を生まぬよう保護してあげなくてはならない
 ○視床の内側核には網様体を経て脊髄視床路にて体性感覚が入力されており、
 それらの情報は前頭連合野へ伝達される、つまり意識・覚醒を上げるためには、
 立位を取らせることによって足低からの体性感覚情報が網様体を介し、視床内側核、前頭連合野
 へ伝わり意識・覚醒があがると考えられる

・まとめのお話
 前頭連合野、そして小脳の働きが、いかに大事か、
 具体的な症例を提示し、何度も何度も教えていただけました。

 ○大脳小脳回路の中でも運動ループが損傷している場合、
 フィードフォワード制御、すなわち運動前発射が不良で、筋緊張の調節や正常な緊張の高まりが
 起こせなくなっているため、運動の途中・中間域から遠心性コントロールを求めるような運動を
 active-assistiveからはじめていく、緊張の高まりを感じたら求心性自動運動を求めていく
 ○前庭小脳回路が損傷している場合、
 患者なりのバランスを学習させなければならないため、平行棒などを持たない、
 より不安定な状況にて、バランスを学習させる
 ○脊髄小脳回路が損傷している場合、
 フィードバック制御が不良なため、体性感覚情報や、非識別性(非陳述性)感覚情報を
 より多く入力させ、更に筋がその情報をキャッチしやすいように、屈曲位を取らせてやる
 のも一つである
過去の勉強会の紹介

●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第6回定期勉強会のお知らせ● ※終了しました※


【テーマ】
前頭前野

【日時】
H23年5月31日(火)
19:00~21:00(予定)

【内容】
運動は、なにも一次運動野のみが行っている訳ではありません。
「中央実行系」と呼ばれる前頭前野も運動あるいは複雑な動作のまとまりを構成する重要な役割を担っています。
人間の秩序ある生活に必要な「注意」、「ワーキングメモリ」、「運動セット」、「干渉刺激に対する抑制」といったキーワードを中心に、解剖学から神経機能機序、臨床応用まで、今回は『前野前野』について学びます。

【プレゼンテーター】
坪井 祥一 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料
過去の勉強会の紹介

引用

●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第7回定期勉強会のお知らせ● ※終了しました※


【テーマ】
失行

【日時】
H23年6月30日(木)  
19:00~21:00(予定)

【内容】
私たちは脳卒中の運動障害に対し『随意運動』に着目することが多いように思いますが、それは人間のまとまりある『行為』において、ほんの一つの構成単位に過ぎません。

麻痺ではないのに、なぜかうまく事を成す事ができない。

『失行』患者に対し、ありきたりな概念だけを当てはめても、なかなか根本的な解決には至っていないように思われます。

失行を考える上で重要な『頭頂葉』、『WHEREの経路』、『WHATの経路』、『ミラーニューロン』といった切り口から、なぜ、あのような複雑な行為の障害が現れるのか、そしてそのアプローチまで具体的に考えてみます。

今回は“行為の障害 ”すなわち『失行』のメカニズムについて探ります。



【プレゼンテーター】
可兒 賢吾 OT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料
●第8回定期勉強会のお知らせ●
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第8回定期勉強会のお知らせ●


【テーマ】
理学療法士がみる言語機能

【日時】
H23年7月28日(木)  
18:30~20:30(予定)

【内容】
 私たちPT、OTは運動療法を実施する際、必ずといっていいほど「コトバ」を用います。

 しかし脳卒中患者、ことに優位側大脳半球に損傷を受けた患者はなんらかの言語機能障害を有していると言われ、私たちが運動療法場面で指示している言葉掛けは、本当の意味で理解されていないように思われます。

 PT・OTが、患者に最も適した言語的教示ができないために、患者は求められている運動を表出することができていないのだとしたら、私たちは自分たちのスキルのなさを棚に上げ、「運動麻痺の重い患者」とレッテルを貼ってしまっているのかもしれません。

 一方で、言語的教示を脳機能から考察し、「あえて、こんな言い方(指示の仕方)をする」と患者の動作理解が即時的に向上することがあり、やはり運動療法を実施する際にも言語機能の理解は必須なようです。

 今回は、言語機能に関する「下前頭回後方領域」および「上側頭回前方領域」を中心に、PTがみる言語機能を脳機能的側面から考えます。


【プレゼンテーター】
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料

【申し込みについて】
興味のある方であれば、どなたでも参加可能です。
参加ご希望の方は必要事項を記入の上、下記までメールください。

※必要事項:
・件名を「第8回定期勉強会参加希望」としてください。
・氏名
・業種
・所属
・連絡可能なメールアドレス
・連絡可能な電話番号
・今回テーマに関する質問、意見(勉強会中に使用致しますので、ご記入お願い致します)
 以上を明記してください。


gifu_nousocchuu_reha_kenkyuukai@yahoo.co.jp


不明な点がございましたら、管理人までメッセージ下さい。


皆様のご参加、心よりお待ちしておりますm(._.)m

岐阜脳卒中リハビリテーション研究会です。
『岐阜脳卒中リハビリテーション研究会』です。





『脳卒中リハビリテーションに携わる全ての皆様へ、

患者様から「なんでこんな症状がでてしまうのか」

との問いに、

あなたは、その場しのぎに“もっともらしい”コトバで返答しているが、


本当は「よくわからない」ことを

あなた自身が、一番よく「わかっている」

のではないですか』(恩師の言葉)




そんな思いから、

平成22年10月、脳卒中に対する『機能解剖から、臨床応用へ』をモットーに、若手理学療法士3名によって、この研究会は発足しました。


脳卒中リハビリテーションを机上の空論や小手先のHowtoだけでなく、『機能解剖から臨床応用へ』と繋ぐべく、活動していきたいと考えています。



その拠点は、『岐阜』。

岐阜県、愛知県、三重県等、中部圏・東海地方の方はもちろん、できるだけ、多くの脳卒中リハビリテーションに携わる皆様に、ご参加頂きたいと存じます。



基本的には月一回18:30ごろより
脳卒中リハビリテーションに関わる内容で『機能解剖から臨床応用へ』をモットー・メインテーマに掲げ、
定期勉強会を岐阜市内の某病院内にて、無料開催致しております。


興味のお持ちの方、参加ご希望の方は、ぜひご参加ください。

職種は問いません。まずは、気軽にお問い合わせ下さい。
gifu_nousocchuu_reha_kenkyuukai@yahoo.co.jp

皆様のご参加、心よりお待ち申し上げます。





※『岐阜脳卒中リハビリテーション研究会』は自称です(平成23年7月時点)。











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