岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
―その拠点は岐阜。  脳卒中リハビリテーションを、“机上の空論”や“小手先のHowto”だけでなく、「機能解剖から臨床応用へ」と繋ぐべく、活動していきます。
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Bridge ブリッジ勉強会
大変お世話になっている勉強会様のご紹介です。


「Bridge(ブリッジ)勉強会」http://bridgetherapist.blog81.fc2.com/
東海地区のPT・OTに~ 脳・身体・心からリハビリを考える勉強会
Twitterは @bridgeaichi 

理学療法士にとって、臨床の実践力が重要であることは、言わずもがなであります。
Bridge管理人さまは、この「臨床力」を常に発信し、私たちに重要なものを伝えてくれます。

是非、ご覧ください。 

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脳損傷後の運動学習
潮見泰蔵 脳損傷後の機能回復と運動学習 2006,理学療法科学

の論文等を読み、感じたことをまとめていきます。

一個人の意見ですので、実際の内容とは異なる可能性がございます。
詳細は原著をご覧ください。





Ⅰ.慢性期の麻痺側上肢機能について
 一般的にプラトーとも呼ばれ、積極的な治療対象にならない可能性が高い。
 この場合、生活の場における現実的な課題を遂行させるようなプログラムを通じてトレーニングを行なったほうが、
実用的な粗大運動能力の獲得が期待できるのでは、と考えたほうが実際のところ、合理的であるようにも思う。
 しかしこれは、脳卒中発症直後の非麻痺側上肢による“積極的代償性使用”が
麻痺側上肢の、その使用機会が奪われ「学習された不使用(learned non use)」状態となり、回復を阻害している因子とも考えられる。
 実際、理学療法では「痙性の軽減」や「可動域の維持」といった治療が実施されるのに留まり、
積極的な治療の対象とはなり得なかったように思われると述べている。
 
 治療の根幹は「学習された不使用(learned non use)」の改善、すなわち「使用依存的再構築(use-dependent reorganization)」である。
 特に麻痺側上肢の運動療法の介入に至っては、その対象者において“意味のある”動作・行為をトレーニングとして用い、応用ADL動作に至るまで、その意味のある結びつきが大変重要であるようだ。
 この場合、重要になるのが目標設定と課題の難易度である。セラピストは注意深く対象者を観察・評価し、対象者の最適課題設定(7/10程度)を行なう必要がある。
難易度があまりにも高すぎる課題では、成功感や達成感を味わうことなく、「学習された無気力感(learned helplessness)」を惹起しかねない。

Ⅱ.脳卒中運動障害の評価における階層構造
 目標指向的アプローチでは最上位の複合・応用動作(Disability)獲得の為に関連する基本的要素動作(Functional limitation)を鍛え、さらに必要であれば、関連する要素機能(Impairment)の改善を図るとされている。

Ⅲ.運動再学習プログラム(MRP:Motor Relearning Program)
 1982年にCarrとShepherdによって考案され、「神経発達学の原理」に基づいて運動行動をトレーニングするのではなく、運動技能はある機能的順序にしたがって獲得されるというものである。
 それは①課題の分析、②欠けている要素の練習とFB、③課題の練習、④課題の日常生活への転移(自由度を拡げる)の4ステップの順において構成されている。

Ⅳ.課題指向型アプローチ(task oriented approach)
 課題指向型アプローチは問題解決を基盤とする介入理論といわれ、「個体」と「環境」および両者を有機的に結び付ける「課題」から構成されている。
 この三者の並列な相互関係によりアプローチ方法を決定していくという方法論である。
 つまり個体の障害度が仮に重度であっても、環境と課題の相互作用により、ある程度の運動療法は遂行可能と考えるのである。



 潮見先生は論文の中で、自らの考えを、こう示しておられます。


 “中枢神経疾患による運動障害の評価ではしばしば「質」が問題にされる。そのことが理学療法の効果を客観的に論じていくことを困難にしている。”


 脳卒中理学療法において、あまりにもその「質」を求めるばかり、
セラピストの独りよがりや自己満足になってしまっては、それは本末転倒というものです。
 理学療法士は治療行為によって、患者様からお金を頂いているわけですから、
そこには、「質」と同じくらい「量(=結果)」も対価として補償しなければならない、
と、個人的には日々感じています。
 

 最後に先生は論文の最後をこう、締めくくっておられます。
 

 「目の前の患者がよくなればそれでよいのではないか」という言葉は、確かに一面の真理とついている。

とはいえ、いつまでも単なる思い付きや場当たり的な治療を繰り返していたのでは、真の経験の蓄積とはならない。

それは治療者として怠慢とも言えるだろう。


【文責 坪井祥一】
●第11回定期勉強会のお知らせ● 終了しました
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第11回定期勉強会のお知らせ●終了しました


【テーマ】
岐阜脳卒中リハビリテーション研究会の考える運動療法の構築

【日時】
H23年11月2日(水)
18:30~20:30(予定)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料

【プレゼンテーター】
坪井 祥一 PT
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【内容】
当研究会は、
脳卒中リハビリテーションを机上の空論や小手先のHowtoだけでなく、
『機能解剖から臨床応用へ』と繋ぐべく、活動していきたい、と常々考えております。

これまでに、当研究会は、主催定期勉強会におきまして、
様々な知見を元に、自分たちなりに考察を深め、臨床応用を進めて参りました。

○第1回○平成22年11月○神経下降路と脊髄反射
○第2回○平成22年12月○大脳基底核と高次運動野
○第3回○平成23年1月○頭頂葉
○第4回○平成23年2月○視床
○第5回○平成23年4月○脳卒中における長下肢装具療法
○第6回○平成23年5月○前頭前野
○第7回○平成23年6月○失行
○第8回○平成23年7月○理学療法からみた言語機能
○第9回○平成23年8月○高次脳機能と理学療法
○第10回○平成23年10月○脳画像のみかた

この度、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会は、発足一周年の集大成を示します。

今回は、脳の機能を臨床応用した、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会の考える運動療法の構築について学びます。



【申し込みについて】
興味のある方であれば、どなたでも参加可能です。
参加ご希望の方は必要事項を記入の上、下記までメールください。

※必要事項:
申し込みはメールでお願い致します。
gifu_nousocchuu_reha_kenkyuukai@yahoo.co.jp
・件名を「第11回定期勉強会参加希望」としてください。
・氏名
・業種
・所属
・連絡可能なメールアドレス
・連絡可能な電話番号
・今回テーマに関する質問、意見(勉強会中に使用致しますので、ご記入お願い致します)
 以上を明記してください。



不明な点がございましたら、管理人までメッセージ下さい。


皆様のご参加、心よりお待ちしておりますm(._.)m

解説●第10回定期勉強会●
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第10回定期勉強会のお知らせ● 終了いたしました


【テーマ】
脳画像のみかた

【日時】
H23年10月7日(金) ※日にちが変更になりました 
18:30~20:30(予定)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料

【プレゼンテーター】
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【内容】
骨折患者のリハビリテーションを行なう際、患部のレントゲン画像を見れば、
我々セラピストにとって、大変有用な情報を与えてくれることは、想像に容易いと思います。

脳卒中におけるリハビリテーションも同様に考えることができ、
脳画像をみることが出来れば、その評価・治療はより戦略立ったものになることは言うまでもありません。

例えば“何だか左側空間の認識が悪いな”と感じたその症状は、
脳画像を見てみれば、ただの『視野障害』だった、なんてこともよくあるように。

今回は運動療法アプローチに役立つ、脳画像のみかたについて学びます。



【解説】
まず、理学療法のあり方について、先生なりのお考えを示していただきました。
“流れPTに、なっていないか”
とりあえず、患者様を触り、なんとなく動かしてみて、思いついた事を思いついたままにアプローチする。
これは、流れPTとなり、日々の洞察力を失います。
例えば、今回取り上げる脳画像を見ることで、洞察力・予測力を養い、
臨床を流さない、重要性を教えていただきました。

Ⅰ.基本的脳機能
脳画像をみていく上では、スライスごとに見方が変わり、特に脳溝、側脳室の見え方、それらとの位置関係において判断するとよいと、示していただきました。
特に側脳室天井レベルにおける、逆Ω字形を示す脳溝は中心溝であり、
そこはmotor hand areaを示し、上肢の運動領域であると教えて頂きました。
この中心溝の前後にあるのが一次運動野と一次体性感覚野でありますが、
その幅は一次運動野の方が大きく、これも一次運動野と一次体性感覚野を見分ける一つであると教えて頂きました。
また側脳室が見えるスライスでは、ハの字のレベルにおいて、
側脳室前角に対し時計2時の方向にBA44、時計4時の方向に縁上回・各回があることも、教えて頂きました。
そして、高次運動野においては、補足運動野、運動前野があり、
前者は大脳基底核と記憶誘導性運動を、後者は小脳と視覚誘導性運動を構成していることも重要だと示して頂きました。
中心後溝にT字でぶつかる、もしくは平行に沿うように走行する頭頂間溝は、
上頭頂小葉と下頭頂小葉を分ける脳溝であります。
特に上頭頂小葉BA5,7は体性感覚情報と視覚情報のクロスモダルトランスファーを行なう場所であり、
身体図式の構成、視空間情報の統合を行なっているとご教示頂きました。
他にも、後頭葉から頭頂葉を経由するWhere経路、側頭葉を経由するWhat経路の紹介や、
前方言語十字路、後方言語十字路の提示により、脳全体のシステムを脳画像から捉える重要性を示していただきました。


Ⅱ.難渋しやすい症例の画像
特に被殻出血、視床出血、中大脳動脈領域梗塞の事例を複数提示し、その難渋する理由、画像をみていくポイントを聴衆と一緒に確認しました。
被殻出血は前方に出血が伸びると認知情動障害が、後方へ出血が伸びると感覚運動障害が生じ、理学療法の難渋因子となります。
また視床出血は前核の障害で辺縁系障害、内側核の障害で前頭前野症状が、外側核の障害にて感覚・小脳症状が出現することからも、これも理学療法の難渋因子となり得ます。
中大脳動脈領域脳梗塞では、右半球では半側空間無視、左半球では失語を中心に、前頭葉症状、上記問題を合併すると教えて頂きました。


【文責:坪井祥一】
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