岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
―その拠点は岐阜。  脳卒中リハビリテーションを、“机上の空論”や“小手先のHowto”だけでなく、「機能解剖から臨床応用へ」と繋ぐべく、活動していきます。
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解説●第8回定期勉強会●
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第8回定期勉強会のお知らせ● ※終了しました


【テーマ】
理学療法士がみる言語機能

【日時】
H23年7月28日(木)  
18:30~20:30(予定)

【内容】
 私たちPT、OTは運動療法を実施する際、必ずといっていいほど「コトバ」を用います。

 しかし脳卒中患者、ことに優位側大脳半球に損傷を受けた患者はなんらかの言語機能障害を有していると言われ、私たちが運動療法場面で指示している言葉掛けは、本当の意味で理解されていないように思われます。

 PT・OTが、患者に最も適した言語的教示ができないために、患者は求められている運動を表出することができていないのだとしたら、私たちは自分たちのスキルのなさを棚に上げ、「運動麻痺の重い患者」とレッテルを貼ってしまっているのかもしれません。

 一方で、言語的教示を脳機能から考察し、「あえて、こんな言い方(指示の仕方)をする」と患者の動作理解が即時的に向上することがあり、やはり運動療法を実施する際にも言語機能の理解は必須なようです。

 今回は、言語機能に関する「下前頭回後方領域」および「上側頭回前方領域」を中心に、PTがみる言語機能を脳機能的側面から考えます。


【プレゼンテーター】
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【解説】
まず始めに、言語を司る左半球の解剖学的概説から説明して頂けました。
単語の基本的保存領域として、名詞は下側頭回領域、動詞はBA6,44、助詞はBA47である
といった基本的な事項を踏まえた上で、
音を言語へと変換するルートとして、
これらを繋ぐ上縦束あるいは弓状束が、更に重要であるということを強調し、
解説して頂きました。

また、その上縦束は被殻の上外側付近を前後に通過している解剖学的背景から、
特に左被殻出血の場合には、上外側への血腫の拡がりには注意する必要がある
ということを教えて頂きました。

さらに、前方言語十字路(MRIハの字レベルにおける側脳室前角のやや前外側付近)と
後方言語十字路(MRI基底核レベルにおける側脳室後角のやや後外側付近)
という概念を紹介して頂き、
ブローカ野やウェルニッケ野をはじめ、上縦束あるいは弓状束などといった
言語に関する神経線維がこの二つの言語十字路に密集していることから
これら二つの言語十字路の重要性も解説されました。


以上の解剖学的構造を押さえた上で、
特にミラーニューロンに着目した運動療法介入を教えて頂きました。
近年数々の報告がなされているというミラーニューロンですが、
今回は4つのポイントに絞って解説して頂きました。

1.音:
視聴覚ミラーニューロン(BA44,上側頭溝後方)を有効利用し、
歩行動作や体の動きに対応するであろう音を聞かせることで、
運動を想起しやすくさせる可能性があると考えられます。
2.表情:
言語教示に合わせたセラピストの(喜怒哀楽も含めた)表情や目線にて
患者様は求められている動作様式を想起しやすくなる可能性があります。
特に表情認知に関する上側頭溝後方領域や紡錘状回、島、扁桃体は
多くの脳血管障害の場合、残存している可能性があります。
3.動き
まさにミラーニューロンの真髄とも考えられますが、
動作を模倣させ、その動作様式を想起し患者様自身も運動を体現しやすくなる
可能性があります。
4.環境
シュミレーション・セオリー(心の心理、模倣の共感)の理論を応用し、
患者様とその運動の背景まで共感、共鳴することが可能となれば、
運動療法の効果はより一層高まることが予想されます。

ただし、このような方法を駆使したとしても、
重度の理解障害と重度の運動麻痺を併発している状況下においては、
上記の表情・言語教示・ジェスチャーは大胆に行なうべきであるし、
またCPGシステムなどの外的リズム形成や感覚入力を用いるなどの、
externalな介入がより必要であることも強調されました。

このように、
失語症や高次脳機能障害などで、言語介入による理解障害があったとしても、
言語機能の基盤の理解や、ミラーニューロンシステムを用いるといった
様々な方法論を具体的に駆使し、患者様に運動を理解・誘導・遂行させる必要が
あることが考えられました。


【文責 坪井祥一】
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