岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
―その拠点は岐阜。  脳卒中リハビリテーションを、“机上の空論”や“小手先のHowto”だけでなく、「機能解剖から臨床応用へ」と繋ぐべく、活動していきます。
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解説●第11回定期勉強会●
●岐阜脳卒中リハビリテーション研究会主催●

●第11回定期勉強会のお知らせ● ※終了いたしました


【テーマ】
岐阜脳卒中リハビリテーション研究会の考える運動療法の構築

【日時】
H23年11月2日(水)
18:30~20:30(予定)

【場所】
医療法人社団友愛会 岩砂病院 3Fリハビリテーション室(岐阜市長良福光161-1)

【受講費】
無料

【プレゼンテーター】
坪井 祥一 PT
淺川 義堂 PT
(医療法人社団友愛会 岩砂病院)

【内容】
当研究会は、
脳卒中リハビリテーションを机上の空論や小手先のHowtoだけでなく、
『機能解剖から臨床応用へ』と繋ぐべく、活動していきたい、と常々考えております。
これまでに、当研究会は、主催定期勉強会におきまして、
様々な知見を元に、自分たちなりに考察を深め、臨床応用を進めて参りました。

○第1回○平成22年11月○神経下降路と脊髄反射
○第2回○平成22年12月○大脳基底核と高次運動野
○第3回○平成23年1月○頭頂葉
○第4回○平成23年2月○視床
○第5回○平成23年4月○脳卒中における長下肢装具療法
○第6回○平成23年5月○前頭前野
○第7回○平成23年6月○失行
○第8回○平成23年7月○理学療法からみた言語機能
○第9回○平成23年8月○高次脳機能と理学療法
○第10回○平成23年10月○脳画像のみかた

この度、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会は、発足一周年の集大成を示します。
今回は、脳の機能を臨床応用した、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会の考える運動療法の構築について学びます。


【解説】
今回は比較的複合的な臨床所見を示す6例の症例を中心に、運動療法の構築を試みました。

1、左被殻出血~失行と言語機能に着目して~
重度運動麻痺に加え、失語、失行を併発し、インプット・アウトプット共に障害されている症例に対し、
どんなモダリティの教示が、最も運動変換へ容易となるのかを模索しました。
特に非損傷側の右脳は非言語的コミュニケーションを司り、声、表情、動き、環境に対する認識を担っております。
具体的には理学療法を行なう際に、SLTAやSPTAを評価尺度として用い、
どんな言語あるいは視覚情報を用いたら、最も容易に患者様に指示が入力され、運動変換されるのか考察しました。
失語・失行に対しては視聴覚ミラーミューロンの賦活、模倣動作での視覚性入力などを用い理学療法を構築しました。

2、左視床出血~認知・情動機能に着目して~
視床出血の中でも本症例は前核と内側核にまたがる視床出血であり、外側核へ血腫の拡がりも認めました。
前核は辺縁系との機能的連結により情動を司り、内側核は前頭前野との機能的連結により認知機能を司ることが知られております。
つまり本症例は感覚障害、運動麻痺に加えて認知・情動障害を有する可能性があることが示されました。
結果的に運動麻痺は比較的改善をみたものの、自己身体に対する感覚障害や認知機能の低下から自己身体への認識の減少を認め、情動障害も残存しました。

3、右内頚動脈心原性脳塞栓症~小脳・脊髄路系に着目して~
広範囲に右脳が梗塞によりダメージを受け、重度痙性麻痺を呈した症例に対する運動療法の構築を試みました。
右側大脳皮質は完全に損傷し、回復の改善、その可能性は低いということは否めません。
しかし生きている残存脳器官を有効に利用することができれば、状況は一変します。
特にテント下にある小脳は大脳皮質に、ある程度独立した状況で、前庭脊髄路・網様体脊髄路を賦活させ、
運動制御を行なうことができると言われております。
KAFOを用いた積極的な抗重力伸展活動トレーニングによって、小脳、CPG系を活性化させ、
歩行活動を再獲得させていく重要性を示しました。

4、左頭頂葉皮質下出血~身体図式と言語性WMに着目して~
頭頂葉は外部環境からの感覚入力の中枢機関として、最も重要な機能を有しております。
左側の頭頂葉は特に視覚情報から得られる身体や物の意味や言語と空間的操作を繋ぐ機能を司ると考えられます。
よって本症例は身体定位障害やpre-shapingの障害、言語性WMの障害、外部知覚への注意障害等が認められ、
理学療法に難渋しました。
しかし課題に対する環境設定やCueing、Chunkをつけることや、non-verbal-commnicationを図ることにより課題の難易度を丁寧に調節し、外部知覚を十分に認識させることで、機能的制限の大幅な改善をみた症例となりました。

5、左内包後脚ラクナ梗塞~意識型体性感覚と小脳性運動失調に着目して~
内包後脚の損傷と言えば、運動麻痺が出現することは、言わずもがなでありますが、
その他の重要な運動・感覚神経や脳内を伝達する神経束が走行していることも、それと同じくらい重要であります。
本症例は内包後脚中央1/3付近にラクナ梗塞があり、下肢領域の外側皮質脊髄路、脊髄視床路の損傷に加え、小脳皮質路の損傷が疑われました。
つまりその運動療法としては失調性片麻痺に対し、意識性体性感覚の豊富な入力と、知覚経験に基づく比較・照合、閉眼位での知覚課題を提供しました。
結果的に機能的制限はほとんどなくなりましたが、小脳症状は下肢中心に残存しました。

6、左被殻出血~大脳基底核と視覚誘導性運動に着目して~
大脳基底核は大脳皮質や脳幹と強い機能的連結を持ち、運動プログラムの制御や随意運動の実行、姿勢制御プログラムおよび自動歩行運動制御を担っております。
また特に被殻は補足運動野との機能的連結により脳内に蓄積された手続き記憶を元に記憶誘導性運動を、一方で同じ高次運動野でも運動前野は小脳・頭頂連合野との機能的連結によって視覚誘導性運動を担っております。
つまり被殻出血を呈した本症例に対し、視覚誘導性運動を中心に用いた理学療法の構築を試みました。
結果、顕著な随意運動の改善は見られませんでしたが、無意識下で行なう姿勢制御は比較的安定しました。


このように岐阜脳卒中リハビリテーション研究会では、発足一年が経過し、今回の運動療法の構築を示しました。
しかし、論理は不十分であり、多くの改善の余地を残しております。

二年目、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会に期待です。
感謝!!


余談ではありますが、
このたびの研究会は当院スタッフを除き、7名(岐阜1名、愛知5名、なんと栃木1名)もの参加者があり、
大変感謝いたしております。
活発な質疑応答もなされ、充実した勉強会になったことを嬉しく感じています。
皆様にとって実りある勉強会になれば幸いです。

今後も、当研究会では、定期勉強会参加者を募集中です。
皆様のご参加をお待ちしております。


【文責:坪井祥一】
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