岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
―その拠点は岐阜。  脳卒中リハビリテーションを、“机上の空論”や“小手先のHowto”だけでなく、「機能解剖から臨床応用へ」と繋ぐべく、活動していきます。
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脳の機能解剖と脳損傷患者の学習の可能性
2011/07/09,10
●岐阜県徒手療法研究会主催●

【脳の機能解剖と脳損傷患者の学習の可能性】
(吉尾 雅春 先生 千里リハビリテーション病院 副院長 理学療法士)


岐阜県羽島市にて2日間にわたり開催された上記研修会に参加して参りました。

いまや、脳卒中理学療法を語る上で欠かすことのできない「キーマン」である、

『吉尾 雅春』先生。



全10時間に渡り、熱く熱く、時にユーモアを交え、語っていただきました。

話を聞き終え、まず感じることは、今日までの自分の力のなさや怠惰、

一方で、明日からの希望と情熱を強く感じています。




患者様の明日からの糧となるよう、心に残ったことを、書き綴っていこうと思います。

・まずは脳の基本的なお話。
 先生は「脳卒中に関わるセラピストであれば、これぐらいは知らないと話にならない。」
 とまで、おっしゃっておられました。

 ○46野:注意の転換、物事の切り替え・順番、目の前の課題に集中する働きがある
 ○11・12野:感情・情動のコントロール、人格を形成しているところ
 ○7野:姿勢低位をつくる、体性感覚と視覚の統合を行なう
 また、外環境への注意、いわゆる“周囲の空気をよむ”
 ○頭頂間溝が拡大していると頭頂葉が萎縮しているといえる
 ○39野:各回、どちらかといえば曲線に強い
 ○37野:直線に強い
 ○小脳:運動だけでなく、大脳全体の協調性に関わる
 ○ワーキングメモリ:ワーキングメモリは言語を用いて形成することもあるので、
 10野と45・44野は隣接している
 ○中脳上丘:サッケード、視覚性注意を担う
 ○画像で見る際には中小脳脚の下のスライスレベルにて小脳片葉を見ることができる
 ○被殻:前方はarea9・10と、後方はarea4・6、area3・1・2、area5・7と
 後方になるにつれ、関連領域も変化する


・上記を踏まえた、脳のシステムの問題のお話
 「脳卒中を考える場合、損傷部位の大きさだけ見るのではない、
 脳全体のシステム(連絡線維)あるいは脳のバランス、そしていわゆる“脳”力
 をみなければならない」とおっしゃっておられました。

 ○システムを考える上でキーワードとなるものが、
 「前頭連合野・頭頂連合野・小脳・視床・基底核」である
 ○これらは4つのループ、すなわち「筋骨格運動ループ、眼球運動ループ、
 前頭前野ループ、辺縁系ループ」を構成する
 ○ポイントになる重要なシステムとしてテント下に存在しうる「脊髄小脳回路(赤核脊髄路)・
 前庭小脳回路(網様体脊髄路・前庭脊髄路)といった経路がある
 ○視床は前核であれば帯状回・辺縁系と、内側核であれば前頭前野と、背側核であれば、area5・7と、
 VPLであればarea3・1・2と、VLであればarea4・6と、視床枕であればarea19・40・39と
 線維連絡をしている
 ○尾状核も前底部付近は眼窩部と、前部付近は10野と、前上部は9・8野とおおむね
 線維連絡をし、また被殻の前方も尾状核と同様の役割をしている
 ○上縦束はハの字のレベル、尾状核の高さで、被殻のやや上外側を前後の方向に走行している
 ○視神経は直接的な損傷を免れても、圧迫を受けていることがある
 その際、周囲の視神経の束から圧迫され、中心が残存するため、
 視野も中心視野が残存することがある
 ○MRI等にて基底核が見えるスライスレベルでは、視床の腹側核が見えている、
 また基底核がしっかりと見えないその上方スライスレベルでは、視床の背側核が見えている
 ○area4・6からは小脳に向けて運動前発射が随意運動に先行して情報を伝達している
 これはフィードフォワードの神経回路を構成している
 ○フィードフォワードの神経回路は前頭橋路を形成し内包の前脚を通る(遠心路)
 ○同時に前頭連合野から小脳にむかう認知ループの線維も内包の前脚を通る(遠心路)
 ○逆に求心路は運動ループ(フィードフォワード)は視床VLを、認知ループは視床内側核を
 経由してそれぞれ運動野、前頭連合野へシナプスする
 ○被殻出血、視床出血症例においてもこの大脳小脳連関、
 すなわち運動ループや認知ループが障害されている可能性が高い
 ○認知ループはCCAS(小脳性認知情動症候群)という症状にあらわれ、
 前頭連合野を強調的にうまくコントロールできない
 ○運動ループは一見運動麻痺があるために、企図振戦は見られないことが多いが、
 麻痺の回復とともに見られる場合もある。
 あるいは、肩関節挙上する際に腱板の作用により、骨頭が関節面に押し付け運動開始するように
 運動前発射がでいきなくなることにより、直前の筋緊張を瞬間的に高めることができなくなるため、
 腱板がタイミングよく働かず三角筋優位の挙上となってしまう
 ○随意性が高いからといって装具を外したり、安易に歩かせていると、
 マルアライメント(内反足、OA)を形成・助長してしまう可能性がある
 しかるべきタイミングで、膝関節などは変形を生まぬよう保護してあげなくてはならない
 ○視床の内側核には網様体を経て脊髄視床路にて体性感覚が入力されており、
 それらの情報は前頭連合野へ伝達される、つまり意識・覚醒を上げるためには、
 立位を取らせることによって足低からの体性感覚情報が網様体を介し、視床内側核、前頭連合野
 へ伝わり意識・覚醒があがると考えられる

・まとめのお話
 前頭連合野、そして小脳の働きが、いかに大事か、
 具体的な症例を提示し、何度も何度も教えていただけました。

 ○大脳小脳回路の中でも運動ループが損傷している場合、
 フィードフォワード制御、すなわち運動前発射が不良で、筋緊張の調節や正常な緊張の高まりが
 起こせなくなっているため、運動の途中・中間域から遠心性コントロールを求めるような運動を
 active-assistiveからはじめていく、緊張の高まりを感じたら求心性自動運動を求めていく
 ○前庭小脳回路が損傷している場合、
 患者なりのバランスを学習させなければならないため、平行棒などを持たない、
 より不安定な状況にて、バランスを学習させる
 ○脊髄小脳回路が損傷している場合、
 フィードバック制御が不良なため、体性感覚情報や、非識別性(非陳述性)感覚情報を
 より多く入力させ、更に筋がその情報をキャッチしやすいように、屈曲位を取らせてやる
 のも一つである
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